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ベーカリーファンはライブ感を求める人達 [2013年1月号 レポート] |
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クリスマスにシュトーレン、お正月はガレットデロワ──。この数年で、様々なイベントにちなんだ商品を販売するベーカリーが増え、パンが世の中を盛り上げる食品として利用されるケースが増えている。この流れに乗り、パン食普及を加速させるためにベーカリーとしてどんな消費者ニーズに応えるべきか。1999年にパンサークルを立ち上げ、現在約400人の会員と共にベーカリー巡りやパン試食イベントを行っているひのようこさんに話を聞いた。
──そもそもリテールベーカリーのパンを好む消費者は、どのような人でしょうか。 ひの ホールセールのパンを買う消費者と比べると、パンに求めるものが全く違っています。価格が高くても自分の満足いくものを探している人達なのはもちろんですが、それ以外に、焼きたてのパンの香ばしさ、店員さんの「焼き上がりました!」の呼び声などに象徴されるベーカリーのライブ感を楽しんでいる人も多いですね。 お店で店員さんとお話しするのも大きな楽しみです。そのパンの特徴や、どんなフィリングと組み合わせると美味しいかなどを聞きたいのです。パンクラブの会員さん達も、新作や季節物、イベント製品などを、いつもとても楽しみにしています。 私自身は素敵なパンに出会うと「どんな人が作っているんだろう」「どうしてこのパンを思い付いたんだろ う」と、シェフの考えまで知りたく なります。私がパンに夢中になったのは、ベッカライ徳多朗のミルククリームがきっかけです。色んなパンを食べるようになりましたけど、最初は「いつかパンに飽きるだろう」と思っていました。でも、新しいパンを知れば知るほど、ますます興味が募っています。パン職人さんそれぞれにパンに対する考え方の違いがあるのも興味深いです。工夫の凝らされたパンが与えてくれるおいしさだけではなく、ベーカリー自体の楽しさも魅力ですね。ベーカリーに行って、パンだけしか見ないことはありません。必ず、お店の雰囲気や、総合的なそのお店のカラーを楽しみたいと考えています。 ──リテールベーカリーがリピーターを増やすには、どうしたらよいと思いますか。 ひの パンの特徴と食べ方を、ぜひアピールしていただきたいですね。パンに慣れていない人は、そのまま食べられる、そのパン1個で完結できるような味のついた惣菜パンや菓子パンを買うこ...(月刊ブランスリー2013年1月号へ続く) |
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