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ブランスリー電脳ちょっとだけ版
引き継がれる技術を追う [2010年6月号 特集]

左は「玉子パン」。右は「甘食」

キサーで攪拌する。このひと手間がおいしさのポイント
 時代が変わり、環境が変わっても、引き継がれていく技術と味。
 上野にあった「永藤パン店」の玉子パンは、店がなくなった今でも、その味だけは生き続けている。
 巣鴨にあるベーカリー「個性パン創造アルル」は世代交代で商品の多くが新しくなったが、変わらず引き継がれている商品がある。
 引き継がれ、守られていく商品や技術の背景には、作り手の思いだけでなくその味を求めるファンの存在があった。

上野の名物ともなっていた永藤パン店の玉子パン‐飯塚良雄さん

 大正元年に創業し、惜しまれながらも平成13年に閉店した東京・上野駅前の「永藤パン店」。同店で絶大な人気を誇っていた「玉子パン」は、昭和5年から、永藤パン店が閉店するまで、上野の名物として人々に愛され続けた。
 玉子パンの製造と販売に携わっていた飯塚良雄さんは、当時をこう振り返る。「115坪の広い店内に、玉子パンだけが陳列された大きな二段構えの棚が二つ。まるで玉子パンでできた『島』が浮かんでいるようでした。それでも次から次へと売れるから、作っても作っても追いつかない。午後2時になると職人たちが一斉に成形を始めるのですが、作業スペースを確保するのにやっとなくらい。1日4000〜5000個くらいは作っていました」
 「上野の名物」としての名も高かった玉子パンの人気もあって、永藤パン店の1日の売上げは当時、200万円...(月刊ブランスリー2010年6月号へ続く)


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