「普通の定食」を安く食べられる昔ながらの学食も、今では少数派?(写真は東京大学本郷キャンパスの中央食堂) |
|
貧乏学生のために安く食事を提供する役割を果たしていた学食が、様変わりしている。こざっぱりとしたカフェテリアのような明るい雰囲気の中、学生向け価格で高級レストランばりのこだわりメニューが展開されているのだ。職人が握る寿司やフランス料理を食べられたり、ボランティア活動が行われていたり、「学生食堂」という場が食にまつわる多様な空間に変わってきている。
学食ブラッシュアップは大学の生き残り策か?
「レベルの高い大学には、学生が自然に集まる」という認識はもう古い。「欲がない」と言われる現在の若者たちは「自宅から近い」「無理したくない」などの理由で大学を選ぶ傾向があるそうだ。少子化に加えそんな彼らを確保し、また「生涯学習」や「公開講座」などをウリに一般人を呼び込むため、各大学が知恵を絞っている。中でも、オリジナリティーあふれる学食のプロデュースが魅力的だ。 東洋大学白山キャンパスの学生食堂は、専門店6店が入るお洒落なフードコート形式になっており、10月に、デザートや軽食類を提供するカジュアルカフェがオープン。 日本工業大学の学生食堂にある「みのり寿司」は、新鮮なネタを使用した寿司や海鮮丼が食べられる。大学が積極的に宣伝し、ホームページで紹介されている「さんまのたたき丼」(500円)は、ご飯の上に大量のさんまがのりボリューム満点。 東京大学では...(月刊ブランスリー2010年1月号へ続く) |