フジトーイ食品事業部の大谷浩部長。「パン業界に夢を提供したい」と熱く語ってくれた |
北海道、旭山動物園向け商品の動物パン。ライオン、クマ、サルの3アイテム。3種入りのセット(左)もある。製造販売は一力屋本店(旭川市) |
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ベーカリー業界では、品揃えのひとつとして様々なキャラクターのパンを商品化するケースが少なくない。成形でキャラクターの顔を表現したり、キャラクターのカードなどを貼付したりと、その方法は様々だ。そんな中で、おもちゃメーカーのフジトーイが提案するキャラクターパンや動物パンが人気を集めている。フジパンストアーがフジトーイとのコラボレーションで商品化しているほか、北海道の旭山動物園などでも動物パンを販売し、好調な滑り出しだ。フジトーイ食品事業部の大谷浩部長に話を聞いた。
―――キャラクターパンや動物パンなどは以前からあり、それ自体は新しくないと思いますが、フジトーイさんが提案しているキャラクターパンや動物パンはどういう点が新しいというか、特徴なのですか。 大谷 これまでは成形のときに動物などの形にしたりして焼くという方法が主体だったと思いますが、当社の「キャラパンモールド」は、生地を型に入れて焼くだけで、キャラクターや動物などのかなり細かな凹凸まで表現できるのが特徴です。 パン生地の性質上、動物などの形に作った型に入れて細部までそれとわかるように焼き上げられるようにするには、相当な技術が必要なんです。 ―――おもちゃの成形方法からヒントを得たと聞きました。 大谷 当社は、本業がおもちゃ作りです。そして、私は自分でベーカリーを経営したこともあり、ベーカリー業界にも馴染みが深いんです。おもちゃ屋のノウハウを活かして、子供たちに夢のある商品を提供できないかと考えたのが、このプロジェクトのそもそもの始まりでした。 最初は、おもちゃを成形する銅製の型で試してみました。結果はそれなりだったのですが、ベーカリー業界に販売するには、あまりにも高価なものになってしまいました。いろいろな工場に話を持ち込み、数多くの可能性を試した結果、ある特殊な金型天板に行き着きました。価格もパン屋さんに無理なくご購入いただけるレベルにまで下げることができました。この「キャラパンモールド」については、パテントを5つ取得しています。 ―――フジトーイさんの技術を使って、キャラクターパンや動物パン用の型ではなく、星型やラウンド型などパン屋さんで一般的に使われている焼き型や天板を作っても...(月刊ブランスリー2009年8月号へ続く) |