売り場は天井が高く、ゆったりとした空間だ。中二階があって、様々な調度品が置かれている。 |
中央に大きな平台があって、売れ筋商品が並ぶ。品出しをするスタッフの動きは機敏だ。 |
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暇な時間帯にいかにして動きを出すか
「スタッフそれぞれに役割を与えて、任せるところは任せ、指示を出すところは指示を出す。各スタッフの良さが最大限に発揮できるように調整する。私の役割はそんな感じです」 昨年12月にオープンした「ブーランジェリークーロンヌしんかしわ」の店長、鹿野大介さんはこういって目を輝かせた。 スタッフは、製造が社員6人、パート2人。販売は平均して常時7人。土日は日商90万円を売り上げ、売り場も厨房も戦場と化す。 「15人のチームで大接戦の野球の試合をしているようなものですね」 鹿野さんはさしずめ、プレーイングマネージャーだ。「全員が自分の役割を熟知し、試合の進行状況を常に把握し、その時々で最も適した行動をとる」というのが鹿野さんの理想形だ。レジは2台。最も忙しい土日の昼時には、1台のレジに3人がつく。販売の残りの1人が品出しを担当。それでも間に合わない場合は、製造スタッフが何人か売り場に出る。誰が出るかは、チームワークでその場で瞬時に決まる。一人一人が常に状況を把握しながら動いているので、阿吽の呼吸で配置場所がそのつど決まっていくのだ。迷いが出たときだけ、鹿野さんが指示を出す。 平日のアイドルタイムであっても、各スタッフは動きを止めない。品出しや棚の商品の整理、並べ替えなどを行う。製造と販売の垣根を取り外し、パンを作って顧客に手渡すまでのすべてのことに全員が関心を持つ。 「忙しいときにはスタッフに活気があって当然ですが、比較的暇なときにどうやってスタッフの動きをキープするかが、大切だと思うんです」...(月刊ブランスリー2006年5月号へ続く) |