1日200斤は売れるという「ねりまだいこん酵母食パン」。すっきりした上品な味が人気を集めている |
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東京・練馬区などに5店舗を展開する「デンマークブロート」で、沢庵などの漬物に適した大根として知られる練馬大根の酵母を使用した食パンが人気を集めている。同ベーカリー練馬店では、1日200斤は売れる看板商品だ。 窓側の陳列棚の最上段がすべて、同商品の陳列スペースで、4枚切り、5枚切り、6枚切り、8枚切り、10枚切りと様々な厚さにスライスして販売している。価格はすべて1斤268円だ。 社長の井戸啓介さんが自ら開発に関わった。 「地元練馬区の特産品で何か面白い商品が出来ないか、というのが始まりでした。練馬といえば『練馬大根』ということになりました」 ある分析機関に依頼し、練馬大根を持ち込んで、付着している酵母を分離してもらった。その酵母と、小麦粉、水とを合わせて、培養したのが「練馬大根酵母」だ。液種のような、どろっとした状態の種だという。 専用の酵母培養機で培養し、種継ぎは、一定量を培養機の中に残しておいて、小麦粉などを新たに混ぜ込んで、次の日まで発酵させる。 「実は、練馬大根の酵母の食パンを発売する前には、同じ酵母培養機で、ルバン種を作って、それを使った食パンを製造販売していたんです。そのルバン種を練馬大根の酵母に代えて出来たのが『ねりまだいこん酵母食パン』でした」と井戸さんはいう。 「とってもすっきりした味ですね。ルバン種を使っていたときよりも販売量もだいぶ伸びています」 井戸さんは2年前に社長に就任した。「現在は5店舗を展開していますが、これ以上店舗を増やすよりは、現在ある店をさらに充実させてい...(月刊ブランスリー2008年8月号へ続く) |