低温で長時間発酵させ、粉の旨味と香りを最大限に引き出した「バゲット・ドゥ・トラディション」(中央の2本)。右は、同じ生地に、アマニ、白ごまなどを練り込んだ「4種の穀物のトラディション」(330円)。左はフランスパンの「フルート」(220円)。 |
店内には、パンに使っている6種類のミネラルウォーターが飾られている。実際に販売も行っている。 |
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硬水と軟水を巧みに使い分ける
「当店の『バゲット・ドゥ・トラディション』は、硬度が160以上の超硬水を使っています。長時間発酵のバゲットは、粉との水和に時間がかかる硬水が向いていますね」 神奈川県横浜市港北区に2006年5月オープンした「TOTSZEN BAKER’S KITCHEN(トツゼン ベーカーズ キッチン)」のシェフブーランジェ、内山芳雄さんはこう話した。 同ベーカリーは、水にも相当なこだわりを持っている。仕込み水はすべて市販のミネラルウォーターを使用。超硬水から軟水まで、6種類をパンの種類によって使い分けている。2種類以上のミネラルウォーターをブレンドして仕込む生地もあるという。 「同じバゲットでもストレート法のものは、硬水と軟水の中間ぐらいの水が向いています。菓子パン生地は、軟水がベストですね」 内山さんは、主にホテルでパンを作ってきた。経験20年のベテランだ。 「ここでしか買えないパンを作っているつもりです」と内山さんはいう。例えば...(月刊ブランスリー2008年6月号へ続く) |