倉庫を改装して作った店舗は、天井が高く、ゆったりとした空間だ。 |
オーナーの神林慎吾さん |
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パン作りだけはうまく出来た 昨年11月に、東京・八王子市にオープンした「ラ・ブランジュリ カロン」。大きな倉庫を改装した店舗で、同じ店舗空間の中に、洋菓子店の「バーゼル」も入っている。共同店舗の形で、店舗の約5分の3がバーゼルのスペースで、5分の2がカロンのスペースだ。天井がかなり高く、開放感のある空間になっている。 カロンの品揃えはおよそ30品目。ゆったりとした店内に配された手づくり感あふれる陳列台などに、手づくり感あふれる様々なパンが並んでいる。 オーナーの神林慎吾さんは、この店を出すに当たって、こだわったことがある。それは、低温長時間発酵を思う存分やるための設備を充実させることだった。そのために、約2・5坪のスペースを確保し、冷蔵庫、冷凍庫、ドウコンディショナーを、2台ずつ導入した。 神林さんは「一昔前は、パン生地は冷やすな、と教わったものですが、今は、低温長時間発酵のよさが広く知られるようになりました。私も長時間じっくりと発酵させたパンは味、香りともとてもいいと感じています。しかし、冷蔵庫のスペースの問題で、低温長時間発酵が十分にやり切れていなかったんです」という。現在、カロンのパンは、そのほとんどが低温長時間発酵によるものだという。 神林さんは、大学を中退し、パンの世界に入った。サラリーマンにはなりたくないと考えていて、「夢中になれるものは何か」をずっと探していた。たまたま、アルバイト先のベーカリーで、製造を手伝うことになり、やってみると、自分でもびっくりするほど、うまく出来た。 「もともと不器用で、何をやっても覚え...(月刊ブランスリー9月号へ続く) |