「ラ・ブランジェ・ナイーフ」の外観。白壁に赤いドアが映える。椅子の上には飾られたパンはまるで活け花のような美しさ |
製造は谷上正幸さんが1人で行う |
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9年の休業を経て再オープン
東京・世田谷区の東急世田谷線若林駅近くに今年9月、「ラ・ブランジェ・ナイーフ」がオープンした。「ラ・ブランジェ・ナイーフ」はかつて、東京・中目黒で11年半営業した人気ベーカリーだ。9年間の休業を経て、今回場所を改めての再オープンとなった。 交通量の多い通称「環七通り」沿いにある同店は、真っ白な壁にくっきりと映える赤いドアという鮮やかさが、周りの喧騒から一線を画す存在感を放っている。 店内も、赤い床と白い壁、白い陳列棚と、赤と白で統一されている。3坪ほどのコンパクトな対面式の売り場には、約30種類のパンが並ぶ。白い壁面が背景となって、パンがより一層引き立って見える。パンを製造するのは、オーナーシェフの谷上正幸さん。谷上さんが同店のパンをすべて1人で作り、妻のフミエさんが販売を担当する。 パンが並ぶ奥に目を向けると、小さなガラス窓越しに厨房の様子が見える。売り場と同様に白い壁で、清潔感を感じる厨房だ。そこで、真っ白なコックコートを身に着けた谷上さんが作業をしている。その眼差しは、真剣そのものだ。 厨房は約6坪で、10人の製造スタッフがいた以前の店舗の、およそ半分の大きさだとい...(月刊ブランスリー2015年12月号へ続く) |