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手土産としてのパン - 消費者アンケート [2015年5月号 消費者アンケート]

あなたはパンを手土産として利用したことがありますか?(回答者数281人、単位=人)

あなたは、手土産として利用したパンは、次のうちどれですか? また、手土産に利用するとしたら、次のうちどれがいいですか? 1つか2つ選んでください。(回答者数281人、単位=人)
 「手土産としてのパン」のテーマで、ネットアンケートを実施した。回答者に抽選で「パンセット」をプレゼントするという形で、ブランスリー報道社が運営するパンと菓子のオンラインショッピングモール、パン菓子・COM(http://www.pankashi.com/)の懸賞企画として実施。実施期間は、2015年3月10日から25日までで、281人から有効回答を得た。回答者の平均年齢は37・65歳。男女構成は、女性206人、男性75人。

4人に3人が手土産としてパンを利用

 「あなたはパンを手土産として利用したことがありますか?」と聞き、「はい」「いいえ」の2つの選択肢から1つを選んでもらったところ、「はい」が211人(75・09%)、「いいえ」が70人(24・91%)で、およそ4人に3人が、パンを手土産として利用したことがあるという結果が出た。
 「あなたは、手土産として利用したパンは、次のうちどれですか? また、手土産に利用するとしたら、次のうちどれがいいですか? 1つか2つ選んでください」と聞き、「食パン」「フランスパン」「クロワッサン」「デニッシュ」「菓子パン」「ドーナツ」「焼き込み調理パン」「調理パン」「ドイツパン」「焼き菓子」「その他」の11の選択肢から1つか2つを選んでもらったところ、「菓子パン」が105人(37・37%)と最も多かった。次いで、、「ドーナツ」の92人(32・74%)、「クロワッサン」の74人(26・33%)、「焼き菓子」の69人(24・56%)などと続いた。おやつとして食べられる甘いパンが好まれる傾向が見られる。
 「あなたは、どんな機会に誰に対して、パンを手土産として利用しますか? または、利用したいですか? 具体的にわかりやすく書いてください」との質問には、全国から様々な回答が寄せられた(22〜23ページ参照)。
 千葉県の41主婦は、「小さい子供がたくさん来るランチ会には、食べやすくて選ぶ楽しみもあるように、色んなパンをたくさん買って行きます」と回答した。
 「あなたは、どんなパンや、パンに関するサービスがあったら、パンを手土産として利用したいですか?具体的にわかりやすく書いてください」との質問にも、全国から様々な答えが返ってきた。(24〜25ページ参照)。
 新潟県の27歳の女性会社員は、「手土産として利用してみたいなと思うものは、わたしの場合、メッセージつきのパンです。『お疲れさま』『頑張ってね』『応援しています』『ごめんね』など、パンに書いてあったら利用したいです。メッセージカードに書くよりも、メッセージ自体を食べるほうが、その人の思いを食べられるので心が温かくなる気がします」との回答を寄せた。
通っていることを自慢したくなるベーカリーになれるか?

 今回のアンケートでは、「手土産としてのパン」について、いくつかの質問をぶつけてみた。まず、パンを手土産として利用したことがある人が、281人中、211人もいて、「手土産としてのパン」がかなり認知されていることに驚かされる。
 多くの人は、相手に喜んでもらうために手土産を持っていくが、同時に、自分のセンスのよさを相手にアピールしたいという願望も持っていることが多い。センスの光る多くのベーカリーが、テレビや雑誌などに取り上げられ、ベーカリーの社会的地位が以前と比べて上がっていることと、「手土産としてのパン」の認知度が上がっていることが呼応しているのかも知れない。
 「手土産として利用したいパン」については、1位が「菓子パン」で、2位が「ドーナツ」、3位が「クロワッサン」という結果だった。
 パンの場合は、ケーキの場合と違って、かしこまった正式なギフトというより、どちらかというとカジュアルなざっくばらんな雰囲気の、まさに「ちょっとした手土産」という意味合いで認知されているようで、持っていった相手と一緒に気軽に食べられるような、おやつとしての甘い系のパンが喜ばれているようだ。
 カジュアルなざっくばらんな雰囲気の手土産だからと言っても、「つまらないもの」でいい訳では決してない。前述のように、手土産を持って行く人は、その手土産で、自分のセンスのよさを主張したいと強く思っているので、その欲求を満たせるだけのセンスのあるパンでなければならないのだ。
 カジュアルで、センスの光る手土産は、フォーマルでセンスの光るギフトより、活躍できる場面は、おそらくかなり多いのではないだろうか。
 筆者も先日、陶芸家の友人が開いた個展にお伺いした際に、渋谷のある有名なベーカリーのパンを買って持って行ったのだが、皆さんにすこぶる好評で、持ってたパンを皆で食べながら、パンの話で30分近く盛り上がり、「手土産としてのパン」の威力に、今さらながら驚いているところだ。
 今回のアンケートでも、パンを手土産として利用する機会として様々なシーンがあがっていた。具体的には、18〜19ページをじっくりと読んでいただきたいのだが、「実家に顔を出すとき」「子供の同級生の家に遊びに行くとき」「ママ友の家に何人かで遊びにいくとき」など、多くの人の日常生活の様々場面で、「手土産としてのパン」が比較的気軽に利用されている様子が浮かび上がってくる。
 お遣い物としての購入が多い洋菓子店は、売上が安定していると聞いたことがあるが、ベーカリーの場合はどうなのだろうか。洋菓子店では、注文を受ける際に、客に「ギフト用ですか」などと聞くケースも多いので、ギフト用としてどれくらい売れているかが、店側としても把握しやすいのだろうが、ベーカリーの場合は、ひょっとしたら、店側が把握できない部分で、すでに「手土産用」として多く購入されているのかも知れない。
 「手土産としてのパン」が活躍できる場面がこれだけ具体的に浮かび上がってくると、そのニーズをしっかりと意識した商品開発も必要になってくるだろう。
 今回のアンケートでは、「プチパンの詰め合わせがほしい」「パンを箱に入れてほしい」「ラッピングのサービスがほしい」「トッピングを豪華にしてほしい」「パンにメッセージを入れてほしい」など、「手土産としてのパン」について、様々な要望が寄せられた。これらを参考にしながら、自分の店の立地や客層を考慮し、普段の経験から蓄積されたノウハウと、それに裏付けられた想像力を最大限に発揮し...(月刊ブランスリー2015年5月号へ続く)

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