「ブーランジェリー ソルカノルカ」の外観。シンプルなデザインで、通りがかりではベーカリーだと気付かれなかったという。窓ガラスから見える位置にパンを陳列したことで、それが改善された |
オーナーシェフの杉本雄一さん(右)と販売担当の服部澄子さん |
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1人で製造するために厨房機能を充実
東京・練馬区の「ブーランジェリー ノルカソルカ」は、オーナーシェフの杉本雄一さんが1人で製造をこなしている。 杉本さんは、「土曜日などは、製造が追いつかないですが」と話すが、多いときは、1人で12〜13万円分のパンを焼く。 開業して3年が経つ。75品目を、1人で、開業当初から維持している。 「最初から、製造は1人でやっていくつもりでしたので、厨房の機能を充実させることを重視しました。具体的には、良い動線を確保し、十分な機械を配備することなどです。機械に充てる資金は、人を雇った場合の年間コストを頭に入れて考えたりもしました。特に、生地などを保管するための冷蔵スペースは多めに用意しています」(杉本さん) 冷蔵スペース用としては、冷凍庫と冷蔵庫、そして急速冷蔵庫、ドウコンを合わせて7台を配備している。その中には、家庭用冷蔵庫もある。サンドイッチなどの具材に使う野菜を保管する野菜室があるのが便利なのだそうだ。 機械については、配備の充実を図るだけでなく、維持管理にも気を使っている。 「パン作りに使う水は、浄水器でカルキを除去しているのですが、これは機械のためでもあるんです。ドウコンや窯などは、水に含まれるカルキで傷んでしまい、故障の原因になることが多いんです。また、業務用の冷蔵庫は、温度を0度C以下に設定して使用しています。それより高い温度だと、保存している生地からアルコールや...(月刊ブランスリー2014年12月号へ続く) |