[ブランスリーってどんな雑誌?] [ブランスリーネット]
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ブランスリー電脳ちょっとだけ版
販売力、全開! [2014年6月号 特集]

東京・三鷹市の「トーホーベーカリー」の店内の様子
 販売力があるかないかが、繁盛するかしないかを決める、とも言われる。今回は、販売力に定評がある2軒のベーカリーを取材した。東京・国立市、プチ・アンジュの販売チーフ、内山瞳さんは「スタッフ自身が店が大好きで、楽しい気持ちでいることと、自分だけで盛り上がるのではなく、お客様との関わりを楽しみながら接客することが大事です」といい、東京・三鷹市、トーホーベーカリーの店長、松井成和さんは「お客様と話す事はとても大切です。コミュニケーションの機会を増やすこと、お客様のシグナルを見て要望を察することが、当店のファンの獲得にもつながります」と話す。両ベーカリーとも、客と正面から向き合い、きちんと関わっていくことに、接客のベースを置いているようだ。
スタッフの力を引き出して販売力UP - プチ・アンジュ

気軽にアイデアを出し合える職場
 東京・国立市にあるベーカリー「プチ・アンジュ」を訪れると、まず目に付くのが、入口の扉に貼られた「ドアの下に隙間があります」との注意書。つま先が危ないと一目でわかる足のイラストが添えてある。客に呼び掛けてくれる温かな気持ちの感じられる出迎えだ。
 「スタッフがアイデアを出してくれたんです。『つま先が引っ掛かりそう』と、思いついたことを提案してくれたんです」と、同店販売チーフの内山瞳さんは話す。
 内山さんのエプロンに付けられたネームプレートを見ると、氏名と共に、大きな手描き文字で「お勧めのパン チーズフランス」とある。目に入った途端「おいしいんですか?」と尋ねたくなった。
 「ネームプレートに書かれたお勧めがきっかけで、お客様とお喋りが始まることはよくあります。あるちょっと変わった名字のスタッフは、自分のネームプレートにあえてフリガナをせずにいました。そして『なんて読むの?』と尋ねるお客様と、積極的にコミュニケーションをとっていました」と内山さん。
 同店は社員の販売スタッフ3人に加え、パートやアルバイトの学生からも、気さくなアイデアが出される。
 「焼きたてがふわふわで潰れやすい『ラウンドパン』という商品があるのですが、トレーにのせようとしているお客様がいたら、気づいたスタッフが潰れないように取って差し上げるサービスをしていました。でもなかなか全てのお客様に対応しきれなくて」(内山さん)。
 そんな時に、スタッフからアイデアが出る。「POPで『焼き立てはスタッフがお取りしますので、お気軽にお声掛け下さい』とあると良いですね!」。実際やってみるとその途端、多くの客から「パンを取って」と声がかかり、ラウンドパンの売上は大きく伸びた。
 一工夫での売上伸張は、同店では枚挙にいとまがない。最近の大成功は「100円玉記念日」と題したイベントの日に販売した「コロッケパン」だ。「POPよし、陳列よし」と、ベテランの内山さんが見立てた売り場であったにも関わらず、目標の1日200個に対し、開店後3時間で20個程度しか出ず、勢いが悪かったという。「何が足り...(月刊ブランスリー2014年6月号へ続く)

人気の「味わいカレー」(税込み176円)。カレーが自家製であることや、「サクサク」「トローリ」といった食感であることなどの製品特徴を短文で強くアピールしている

人気商品の1つの「塩ロール」(税込み102円)。食欲を引き立てる暖色を使ったPOPが目を引く

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