内装やインテリアは、イギリスのアンティークを主体に構成されている。使い込まれた家具の雰囲気が、手作り感や親しみやすさ、懐かしさを感じさせる |
「パン焼き小屋ツオップ」の伊原靖友オーナーシェフ |
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千葉県松戸市のベーカリー「パン焼き小屋ツオップ」は、店舗の2階にベーカリーカフェ「ルーエプラッツ ツオップ」(Ruheplatz ZOPF)を持っている。食事と共に自信作であるパンを提供し、そのマッチングを顧客に味わってもらうのが趣旨だ。ドイツパンのように消費者に馴染みの薄いパンの食べ方や味わい方の提案は、1階のパン売り場での試食提供から始まり、それが十分な機能を果たし始め、さらに進化して2階のカフェになった。
パン食の楽しさを伝えるためのあらゆる工夫を施す。 全22席は、連日朝から満席の盛況 「ルーエプラッツ ツオップ」は現在、人気のため予約制を取っており、全22席は連日朝から満席で、毎日100人程度の来店があり、予約は3カ月待ち、長いと半年待ちという状況だ。ベーカリー開業の約3年後に開店した同カフェについて、同ベーカリーの伊原靖友オーナーシェフの夫人で、同カフェを担当する伊原りえさんは次のように話す。 「ハード系の一般的に食べ慣れないパンが主力のベーカリーですから、元々試食にすごく力を入れていました。パンをより幅広く味わってもらう場として、カフェをやりたいという考えはずっとありました。具体的なカフェ開業のきっかけは、ベーカリーの2階が空いて、使えるようになったことだったんです。元は住居の1階を使って家族でやっているベーカリーでしたから、建物をどう使うのかということで、家族各世代の都合もあったのですが、その時、丁度巡り合わせがよくてそのままカフェの開業が具体化しました」 同ベーカリーの試食は、伊原シェフの考えで開業以来、余ったパンを試食に出さない、とういう方針で提供してきた。常に焼きたての良い状態のパンに、バターやハチミツを塗って、見た目もきれいに整えて提供し、パンが乾いたり、見た目が悪くなったりしたら、すぐ交換することを旨としてきた。通常の陳列や販売と並行して、試食にこれだけの手間を掛けるのは簡単なことではなかったが、効果は抜群だったという。試食は飛ぶように出て、同ベーカリーの定番商品であるドイツパンも幅広い年齢層に売れるように...(月刊ブランスリー2014年2月号へ続く) |