最近は、月刊ブランスリーのデスクとして、記者の皆さんにできる限り、いい記事を書いてもらうべく、いろいろと思い悩む日々です。
提出されてくる記事には、読んでいて心が躍ってしまうような面白いものもあるし、当然、逆に「だから何なんですか?」的なものもあります。
じゃ、面白い記事って何なのか、と考えてみました。
記事が面白いか、つまらないかを分けるポイントの一つは、取材対象が人や社会などと関りを持ち、その関係が日々、進化・発展していく様子を、取材対象に起こる日々の細かな出来事を丹念に取材して記述することで、ダイナミックなストーリーとして浮かび上がらせることができるかどうかということです。
例えば、あるパン屋さんが「お客様に喜んでもらえる店を目指しています」と言ったとして、その言葉がうそじゃないとしたら、それをどうやって伝えるか? 人の価値観というのは、普段の何気ない行動にふと現れたりするものです。人の価値観が、普段の何気ない行動にふと現れた場面を、事実として素直に伝えることがポイントだと思います。
ある記者が書いたブランスリー9月号のお店拝見の記事の中に、「オーナーは、店のガラス越しに、来店する客の姿を確認すると、すぐに予約の品をレジに持っていく」というのがありました。たったこれだけでも、オーナーの客に対する思いが、しみじみと心に響いてくるんですね。
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