今月号のお店拝見で取材した2軒のベーカリーは、タイプは違うが、どちらも小規模ベーカリーで、店舗の広さと売上規模は同じぐらいだ。パンを作る人は、オーナー自身ともうひとり。販売は1人か2人。これで平均日商が約10万円。店によって条件は違うと思うが、多分それなりに利益も出て、しっかりとまわっているに違いない。 どの世界でもそうだが、一極集中はよくない。数多くの参加者が、それぞれの個性を発揮して活躍するのが好ましい。消費者もきっとそれを望んでいるに違いない。 今回の取材で、小規模店でもやり方さえ間違わなければ、充分過ぎるほどやっていけるのだ、と確信した。ポイントは、自分らしさを強く打ち出すこと。それには、自分らしさは何かを知らなければならない。もうひとつのポイントは、自然に夢中になれるかどうか。夢中になっているときは、その姿がまさしく自分らしさだ。今の時代「何となくパン屋」は通用しない。
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