才能があるとかないとかよく言うが、才能とは一体なんだろう。「才能なんて関係ない。努力するかどうかだ」ともよく言う。しかし、努力した人がすべて成功するとは限らない。近代絵画の父と言われるセザンヌは、才能があったかなかったかといえば、あった。歌手の尾崎豊は才能があったかなかったかといえば、あった。才能とはなんだろうか。セザンヌは、理由はどうあれ、とにかく描かずにはいられなかった。尾崎豊は、理由はどうあれ、とにかく詞を書き、歌わずにはいられなかった。多分才能とは、「才能か努力か」といったこととは、次元の違う話のような気がする。才能があったとされる人たちは、ほとんど例外なく、あるひとつのことをやり続けないと、生きていけなかったのだ。ある意味で、それは、人間は、食べないと生きていけない、息をしないと生きていけない、ということと同じ次元の話だ。
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