当店も、３月１５日にオープンして早、８ヶ月が過ぎ
た。
商品作りは、もちろん、個性的な店作りも手伝って、
沢山のプロの方々が見学に来た。
そんな中で、パンや菓子を専攻する学生達も沢山来て
くれている。
当然、来年度の採用についての問い合わせも頻繁にあ
る。
有り難いことに、当店は、開業以来落伍者もなく、こ
の暮れまで来たため、来年度の採用はまだ決めかねて
いるのが現状だ。
ただ、積極的にお店に来ていろいろ私の話を聞いてい
く子もいる。
そんな子には、優先的に採用があれば声をかけたい。
採用には、応募してくる者のしっかりとした決意が見
て取れる所を判断基準にしたい。
昔、私がホテルでの修業時代、オイルショックの後で
どのホテルも採用が少なかった。
まして、ホテルのコックになるには、当面はウェイタ
ーを経験する。
何時、厨房へ移動できるか？出口が見えない。
そのまま、飲料担当でウェイターを続ける人も少なく
なかった。
私は、何分福田の親父から声をかけられベーカリー部
に入る事ができたが、洋食希望者は、確か、３年位は
厨房に入ることが出来なかったと思う。
そんな中で１年前に入社した先輩社員が、我々の入社
と同時にフレンチの厨房に移動になった。　　異例の
早さだった。
その先輩、通常のウェイター業務が終わってから、す
なわち、非番の時や公休の時フレンチの厨房で、進ん
で厨房の下働きをしていたそうだ。
それを、１年間続け料理長の推薦で晴れて厨房入りが
許されたそうだ。
このフレンチの料理長は後に、東京全日空ホテルの初
代総料理長に就任した広瀬ムッシュだった。
何事も、やりたい仕事・職場があったら、とことん自
分をアピールして夢を叶えてほしい。
それぞれの店には事情もあるが、やる気のある、輝い
ている子には目に止めておいてくれると思う。
私は、日頃若い技術者が、どれだけの決意でこの仕事
に取り組んでいるかを見ている。

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