8月後半から、多忙で時間に追われることが続いていて、気持ちに余裕のない行動、言動など少し反省気味です。
そんななかでも、8月の最終日曜日、丸一日自由になる時間ができたので、久しぶりに「池袋演芸場」に落語を聞きに行きました。 近頃の「落語ブーム」は本物らしく、開場30分前くらいに着きましたが、すでに40人ほどの列ができています。 「池袋演芸場」は、120人位で満席になってしまう本当に小さな寄席です。 ですから、演者と客席が近い近い(そこがいい!)。 地下にあるので、通路にいると次から次へと、噺家、芸人の人と出くわすことが多いのもおもしろい。 この日も、お仲入りで通路で休んでいると、大トリの林家正蔵師匠とバッタリ会いました。 GパンにTシャツ姿でそそくさと歩く姿は、なんだか知り合いに偶然会ったような感覚がして、「誰だっけ、挨拶しなきゃ…」なんて思ってしまいます。 正蔵師匠、「こぶちゃん」の愛称で親しまれていましたが、昨年大名跡九代目林家正蔵を襲名しました。 たしか私と同い年です。
バラエティに多く出ていましたが、まわりのタレントからの「いじめられっこキャラ」で、 当の落語も大きな声ばかりで、飛んだりはねたりが多く、 故き父林家三平師匠を変に意識しているのか、お世辞にもまた聞きたくなる高座とは感じられませんでした。
この日の演目は、「鼓ヶ滝(つづみがたき)」。 しかし、これが聞かせます。 自分の作った和歌をいじられる不満〜だけどすぐれた和歌に変わっていく驚き〜最後は自分の慢心に気づき深く反省する歌人(実は、若き日の西行)。 心の動きとその表現が、絶妙でした。 その主人公と正蔵師匠がダブって見えて、 完全に噺の中に引き込まれました。
自分と同じ年の噺家が名人の域に片足を入れています。 自分もがんばらなければ。
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