ラグビーでは、試合終了のことを「ゲームセット」ではなく「ノーサイド」と呼びます。 戦いが終われば、両軍のサイドが無くなって同じ仲間だという精神に由来する言葉です。 そして試合後には、アフターマッチファンクションといういわば親睦会を行います。
神奈川県のラグビースクールでは、2010年よりすべての試合終了後、 アフターマッチファンクションを行うことにしました。 大人のチームがやる親睦会ではなく、 グラウンドのなかで、両チームの互いの健闘を讃えあいます。 まず、レフリーによる総評に始まり、両チームキャプテンの自己紹介と試合の感想、 両チームのコーチによる相手チームへのエール、 最後に選手・コーチが全員握手して終了です。
昨年アフターマッチファンクションを始めたころは、 選手たちはうまく自分の思いを皆の前で話すことができませんでしたが、 1年間続けたことで、だいぶ上手に話すことができるようになりました。
今回のファイナルカップのカップ決勝戦のアフターマッチファンクションは、 神奈川県内小6選手全員で行いました。 怒涛の追い上げが一歩及ばず敗れた藤沢RSの嶋崎キャプテンは、 悔し涙にくれるチームの仲間を後ろに控えて、開口一番、 「田園ラグビースクールさん、おめでとうございます。」 相手チームの優勝を讃えました。 すばらしいラガーです。 「美しき敗者」の言葉が頭よぎり、胸が熱くなりました。 大人でもできることではありません。 スタンドでは感動したご家族が、涙をぬぐう姿が多く見えました。
決勝戦進出の2チーム以外のキャプテン数人にも話しを聞きましたが、 「大会に参加できた喜びと感謝」や 「この仲間で中学にいってもラグビーを続ける」 との決意を語ってくれました。 彼ら選手全員は、私たちラグビー指導者にとってまさに宝物です。
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